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漫画「ヤマノススメ」作者しろが語る “名栗の魅力とらしさ“

更新日:2022年1月25日


 

アース・スター エンターテイメント発行の月刊漫画雑誌「コミック アース・スター」にて2011年より連載中の女子高生による登山をテーマとするストーリー漫画「ヤマノススメ」。同漫画は埼玉県飯能市を舞台に描かれており、ヤマノススメ聖地巡礼をするファンもいるほど人気沸騰中です。今回はヤマノススメの作者である、漫画家のしろ先生に飯能市の魅力を語っていただきました。

 



「ただいま」と言いたくなるそんな懐かしさがある場所

埼玉県飯能市の名栗は、都心から約1時間でアクセスできるということもあり、1年を通して、トレッキング、キャンプ、グランピングなどを楽しむ観光客が訪れる。名栗湖を中心に山々に囲まれた同エリアには、アウトドアだけでなく、天然温泉やカヌー、埼玉百選に選ばれた観光名所「鳥居観音」なども存在感を見せている。


紅葉の季節になると山は真っ赤に染まり、県内有数の紅葉スポットとして多くの観光客が足を運んでおり、その自然が作る芸術品は、ため息のでるほどの美しさだ。


「名栗は本当に自然豊かな場所。自然豊かと言っても、本格的に大自然というより、“ただいま”と言いたくなるような…まるでおばあちゃんの家に来たような、親しみやすい感じがしました。アウトドアや大自然というと全く違う環境にある場所という感じがしますが、この場所には、どこか懐かしい雰囲気があり、自然とリラックスできますね。また都心からもサクッと来られてしまう距離感で、意外と近いというのが魅力だと思います。自分も漫画で舞台にしているようにアウトドアと親和性が強い部分も魅力の一つだと思います」。



「薪割り」に名栗らしい日常があっていいな

今回しろ先生は、漫画に活かしたいということで、実際に名栗の各所を周り、西川材を使ったカヌー制作やグランピング、薪割り、鳥居観音の輪切り飛ばしなどを体験した。その中の体験はどうだったのか尋ねてみた。


「カヌー工房でのカヌー制作は、普段 DIYなど全くやらないので、とても新鮮でした。今回は制作工程の木を重ねる部分をやらせてもらいましたが、次はやすりがけをする工程をやってみたいですね。そのほかには今回出来なかった正覚寺の宿坊もぜひ次回体験したいです。ご住職さんにお話しを聞き、すべての修行を体験することで見えてくるものがあるというのを理解しました。何が見えるか今はわからないですが、体験することできっと自分にもプラスなものがある気がします。また、薪割りではなかなか割れず苦戦しましたが、割った薪の半分は持って帰って良いということで、これは漫画のどこかに使いたいなと思いました。非常に名栗らしい日常の一部でいいなと思いましたね」。



日常の忙しい中では考えは巡らない

名栗ではワーケーションでは、アート(クリエイト)の意味合いを持った“アーケーション”を打ち出している。しろ先生が考える名栗での“アーケーション”はどう感じたのだろうか。


「多くの職種に共通しているかと思いますが、日々忙しい毎日を送っていると目の前のことに追われていて、心や頭に隙間ができず考えが巡らないと思うんですよね。忙しい中で何か新しいものを生み出さないといけないって焦ってさらに悪循環。そういった場合はこういう自然の中に自分を置くと頭がフラットな状況になる気がします。薪割りやカヌー体験など普段やらないような、人とは違う経験をすることで良いインスピレーションを受けることもできる。焦っているときはそのことばかり考えがちですが、実際に良い案が浮かぶときって、全く違うことをしているときだったりしますしね。創作とは、言葉に出せない何かを、言葉以外の何かでアウトプットする作業だと思うので、その方法に行き詰った時はこういう環境を上手に取り入れてみて、打開策を探るのもいいのかなって思います」。



子どもを預かってくれるサービス環境がほしい

現実的にしろ先生は、道具や環境の問題でワーケーションなどは難しいとのことだが、そういった壁がなくなった場合、このアーケーションに何がほしいのか尋ねてみた。


「今は子どもが小さいということもあって、家を離れることは難しいですし、家族と来てもなかなか難しいだろうなと思ってしまうのですが、託児所や保育園のような子どもを預かってくれるような施設がアーケーションにあったら、参加できる人ももっと増えるんじゃないかなと思いますし、子供にとっても、普段見ない自然の中での滞在はよい経験になると思います。私も子どもがもう少し大きくなったらこういうのはぜひいいなと思います。実際独り身だったら知り合いとすぐにでも参加しているでしょうね(笑)。家族環境みたいなものがクリアになると、ワーケーションがしたくて躊躇している人も参加しやすいと思います」。



名栗を1日かけて周り、体験したしろ先生。常に“名栗らしい”と口にしていたほど、名栗にはたくさんの自然と懐かしさが融合する場所があるのだろう。名栗全体に西川材を使用した施設が多く、北欧のようなかわいらしい雰囲気があるこのエリアには、観光以外の魅力がまだまだ隠れている。都会から約1時間の場所で自分をリセットさせる新習慣を取り入れてみてはどうだろうか。

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